鮮やかな服

今年のプランの一つは、たくさん美しいものに出逢う、見出す。で、すこしでも時間があれば近場の海や山に立ち寄ることにしました。おかげで、今年はすでに6回目の海。色々と頭をこねくり回して、表現したくなるけれど、美しいな、と思ったものに遭遇して、言葉を忘れて、見とれてしまう時間を、作りたい。春がきて花が咲く前に、もう少しだけ世界を立体的に見れるようになりたい。


business card

新しく名刺作りました。この頃海にいることが多いので、濡れてもへっちゃらアクリル製です。道を歩いてなかよくなった人に、ささっと渡して、名前覚えてもらいたい。

高校生の時にあった仮面ライダーに「ご縁は願うものではなく、育てるモノですよ」って言われたのを思い出しました。ご縁は、いまだに勝手にうにょうにょ広がるモノだと思っているけれど、より広がりやすいように、土を耕したり、じぶんをオープンにしたり。と、準備は必要だな、とも。来週、あけましておめでとう。



161211

ひとつの制作の、ひと段落を終えて眠りについた。昨晩、といっても数時間前だけど。

来年の春、夏に向けての制作をはじめる。一つのアイディアを、形にするのはとても時間がかかる。

1日で終わるもの、数秒で終わるもの、何年もかかるもの、人一人生きるには終わらないもの。

いくつもの時間軸のことを行き来して、生きている。

それはまるで、同時に複数の旅をしているみたいで、楽しい。


今日はとても気分がいい。朝しっかり起きれたことも大きい。

あたまの後ろにある、目にも見えない、手にも触れない、その空間がなんだか晴れ晴れしている。

アイディアを思いつく、という表現があるけれど、それは、頭のなかに広がる靄を晴らして、

そこにずっと存在していたものを、両手で掬い上げるような感覚に、近い気がする。


思いつく、と言うと、0から1を作るみたいに少し大げさに聞こえてしまうけど、

アイディアというのはずっとそこにいて、靄の中にいて、いまは見えないだけで。

解像度を上げて、靄の中にある微かな光を捉えて、そこを捉える。探る。

カメラのピントを合わせていくようなもので、少しづつ、段階的に、時に劇的に、

それは輪郭を明瞭にして、ぼくがたやすく掬い上げられるようになってくれる。


MORNING


太陽が上がる前に目を覚ます。

布団から這い出して、江ノ島へ向かう。

車内から、すこしづつ明るくなる空が見える。

空がすこし曇っているおかげで、光の筋が良く見える。

この頃は、光の筋を眺めるのが好きで、窓の隙間からの線的な光や、

カーテン越しの淡い光、そしてそれは風で布がナビくおかげで、光も踊る。



江ノ島に着くと、知っている顔があった。

名前は知らない、ただ、大学で何度も目にしたことのある顔。

丸メガネとヒゲがチャーミングな彼は、友人の恋人で、一度話をして観たいと思っていた。

だから、これは、こんな朝の挨拶は、NICEな初対面の挨拶になるだろうと確信を持つ。

彼もカメラを持っている。今は、太陽が出そうで出ない、一番楽しい時。

この時の、海から漏れ出る太陽の光はとてつもなくREDだ。

赤、というには、すこし違う。カラーコードで言えば、伝わるだろうか。

伝わらないだろう、RがxでGがyでBがzなんて言われたところで、ピンと来やしない。



だから、あなたと一緒に見れたらいいのに。

一人一人の虹彩の誤差なんて気にやしないし、あなたの目が見えなくたって、大してぼくも変わりはしない。

せめてもと、写真に収めたりする。写真は、伝言板にもなる。

表現だとか、記録だとか、旅だとか。写真には色々なことができるらしい。

ただ、まあ、ぼくは童貞が羨ましい。その熱量が、ほしい。

そんな風に思っていたら、シャッターを押すだけで、すごく楽しい。

1人で、笑っている。時々、なるんだけど、行為が、ただただ、楽しい。





2016.12.11 am09:38 at 上島珈琲

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